感受性の成長その①「農園」

呟き
どこかで見た花


私は田舎育ちの為、幼い頃は草木がすぐ傍にありましたが
20年ぐらい前~現在に至る間、地方発展の為
これまで草木ばかりがあった場所が
気が付けば道路や家ができていた、
なんて事が多発しておりました。

そんな中、一番記憶にあるのは
学校ぐらいあるんじゃないか、という壮大な敷地を
解放している「農園」と呼ばれていた土地。

当時私は小学生
恐らく正式名ではないその「農園」は
大きな自然公園の一部が切り取られたような
多少整備されつつも、草木が生い茂る所でした。

そこでは木登りしたり、虫を取ったり
大雪の日は雪が積もるので、友達と雪合戦
いい感じの秘密基地など作っては上の学年に占拠されたり
楽しい事や苦い事など
沢山の子供たちの想い出が詰まった
素晴らしい遊び場でした。

ですがある日、こちらも例にもれず
同級生の土地所有者息子曰く
そこそこの値段で売ってしまったとの事
(スネ夫的な子だったので自慢げに話しており、クラス中から非難を受けた事は覚えてます笑)

どこから聞いたか記憶にないのですが
工事の日程を知り、友達と様子を見に行こうと
放課後すぐに農園に駆け付けました。

そこには、フェンス越しに大きな重機と
入口に「立ち入り禁止」の看板。
そして先に来ていた下級生~上級生らしき子供たちが
広い敷地内のあらゆる草木が
重機によって、大胆にひっくり返されているのを
ただ茫然と眺めていた姿がありました。

私は、ごちゃ混ぜにされる草木にも驚きましたが
印象に残っているのは、それを眺める皆の背中

当時、私が何年生だったかも思い出せないのですが
子供たちの悲しそうなその姿は
今でも頭に蘇ります。

ちなみにその土地ですが、
今は完全に住宅街となっており
草ボーボーだった農園の姿は、見る影もありません。


大人になってからは
あの経験は子供の私にとって
心が成長した一つの想い出と思っておりますが
現代の子供たちにも、そんな切ない想い出が
今もどこかで生まれているのかしらと
アラサー女は、勝手に思っております。

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